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YOLOの開発をやめたJoseph Redmonの気持ちとは?

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YOLOJoseph Redmonによってバージョン1から3まで開発されました。

物体検出(Object Detection)を行うためのモデルですが、このビデオをみれば何をするのかよくわかります。

なんだか幸せな気分になる映像ですよね。しかし…

1. 突然にYOLOの開発をやめた🔝

このように素晴らしいモデルを開発したのですが、Joseph RedmonはYOLOv3以降、YOLOの開発に携わっていません。

その後もYOLOv3の流れをくむモデルの開発は継続されていますが、Joseph Redmon以外の人たちによるものです。

YOLOv4Alexey Bochkovskiyによって開発され、YOLOv5Ultralysticsによって開発されました。YOLOv5に関しては論文も発表されていないのですが、使いやすくなっており人気もあります。実用化に重点を置いていると言えるでしょう。

いずれにせよ、YOLOv3のデザインがYOLOv4やYOLOv5でも生かされているのは間違いありません。そのような土台を築いたのに、なぜJoseph RedmonはYOLOの開発をやめてしまったのでしょうか?

2. YOLOv3の論文は乱雑に書かれた?🔝

実は、この論文自体かなり乱雑に書かれた印象を受けます。

通常、機械学習などの論文は難しいことばを使ったり堅苦しい感じで読みにくかったりするのですが、YOLOv3はまるでソーシャルメディアのコメントを読んでいるかの印象を受けます。

もちろん、技術的な説明などもあり、それなりの知識がないと理解できないという前提はありますが。

論文は、こんな感じで始まります。意訳を添えました。

We present some updates to YOLO! We made a bunch of little design changes to make it better. We also trained this new network that’s pretty swell. It’s a little bigger than last time but more accurate. It’s still fast though, don’t worry.

訳:YOLOのアップデートをお知らせします!よりよくするためにデザインをあちこち改良しました。ネットワークの訓練もうまくできました。以前よりちょっと大きくはなりましたがおかげでより正確です。それでもスピードは速いままなのでご安心あれ。

なんかすごく明るい感じですが、ずいぶんと日常会話っぽい感じがします。ひとによってはちょっと失礼な印象を受けるかもしれません。

YOLOv1とYOLOv2の論文を既に読んだことのある方ならば、わりとスイスイと読めてしまう論文になっています。しかも6ページしかありません。

そうして読み進めていくと、論文の締めくくりのところでYOLOの開発をやめた理由についてのヒントが書かれています。

3. なぜYOLOの開発をやめたのか?🔝

YOLOv3の論文の最後にこう書かれています。

“What are we going to do with these detectors now that we have them?”

訳:このような物体検出器を使って我々は一体何をするのでしょう?

A lot of the people doing this research are at Google and Facebook. I guess at least we know the technology is in good hands and definitely won’t be used to harvest your personal information and sell it to…. wait, you’re saying that’s exactly what it will be used for?? Oh.

訳:GoogleやFacebookから多くの人たちがこの研究に携わっています。なので私が思うにこのテクノロジーは悪用されることはないでしょう。まさか個人情報を奪って売りさばくなんてことは…あり得るわけですね。あらら。

Well the other people heavily funding vision research are the military and they’ve never done anything horrible like killing lots of people with new technology oh wait…..

訳:えーと、他にもコンピュータービジョンに資金投入しているのは軍隊だけど、あそこでは新しいテクノロジーで大量殺人なんてやったことないですよね。いや、待てよ…

つまり、彼は自分の研究の成果が悪用されることに我慢がならないと伝えています。さらに、研究者は研究の産物が危害を加えることに使われないように考える責任があると。

注釈には皮肉にもこんなことが書かれています。

The author is funded by the Office of Naval Research and Google.

訳:筆者は海軍研究事務所とGoogleによる資金提供を受けています。

ここまで論文を読んだ後に、初めから読み返してみると、なぜ乱雑な印象を受けるのかわかるような気がします。

AIによる人間征服はあり得るのか?」でも似たようなことを書きましたが、AIはそれを使う目的によっては人類にとって最悪な発明になるかもしれません。それでは、また。




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